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ママは歯医者さん Dr.優子の子育て日記 Vol.2「子育てに必要なものと乳歯のむし歯の特徴」
- 2022/2/26
- ママは歯医者さん Dr.優子の子育て日記

働きながら子育てをしていくためには絶対に必要なものがあります。
先ずは子どもを責任を持って産んで育てていくという「覚悟」。次に、子育てに限ったことではありませんが生きていくために必要な「お金」。そして子育てには膨大な「時間」がかかります。
「覚悟」が足りないために起こる痛ましい虐待事件や育児放棄、「お金」が不足しているために起こる子どもの貧困問題、そして「時間」が足りないために起こる保護者の健康とメンタルの崩壊。歯科医院という小さな世界からもこれらの事を感じ取ることができます。
子どもを治療に連れてくるのは母親が圧倒的に多いのですが、そのお母さんたちがグッタリして疲れ切っているのです。育児や家事で忙しいのに夜間、いきなり子どもが「歯が痛い」と泣き出して朝までぐずったら母親の体力もメンタルもやられてしまいますね。
大人の場合は麻酔を使って一度に数本のむし歯の治療が可能ですが、歯科治療が初めてだったり低年齢の子どもの場合は一度に進められる治療に限りがあるので何度も治療に通わなければなりません。

乳歯のむし歯の特徴のひとつに「隣接面う蝕(りんせつめんうしょく)」というものがあります。乳歯の奥歯の事を「乳臼歯(にゅうきゅうし)」と呼ぶのですが、乳臼歯の間のむし歯が進行し、気が付かないうちに突然大きな穴があき、子どもが痛がったという経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
歯の表面を覆っているエナメル質は、乳歯は永久歯の半分の厚さしかありません。また乳歯の場合、歯髄腔(しずいくう)といって歯の神経が入っている部屋が大きいので、むし歯がすぐに神経まで到達してしまいます。神経まで到達したむし歯は治療に時間がかかるため、痛みが無くなると治療を途中で中断してしまうケースもよくあります。
子どもの歯科治療で何度も通院しないようにするためには①ホームケアを充実させる。②歯が出てきたら一度歯科医院を受診し、今後のお手入れ方法を聞く。③定期健診をかかさない。④歯科医院は「歯が悪くなったら行くところ」ではなく「歯を悪くしないために行くところ」である、というように考え方を変える必要(マインドセット)があります。
時間は有限です。子育て中はさらに時間が貴重です。次回からは、歯科医院に治療に行くための時間を減らすための方法をお話させていただきます。
ドクター優子ママプロフィール
青森県八戸市出身。歯科医師。株式会社ケロル代表取締役。
岩手医科大学歯学部卒業後10年の勤務医生活を経験し、その後大澤歯科医院副院長となり現在に至る。
医院とスタッフのマネジメント、子育てで悩んでいた40代で個性心理學と出会い、
個性心理學認定講師として一部上場企業、歯科デーラー、小児科医院などでの講演を多数行っている。
青森市大澤歯科医院「ママさん歯科医師Dr.YUKO」のブログで女性歯科医師としての目線で、
日々の診療、働く女性として、子育てのことなどを発信中。