右脳は6歳までに鍛えないと意味がない!?子どもの脳の発達について。記憶力・発想力を脳科学で検証

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小さい頃にやらせると右脳が発達するといわれている、音楽や芸術系の習い事をやらせたいと考えるパパママは多いと思います。特に、右脳を鍛えるのは3歳までとか6歳までとか、タイムリミットがあるという話も聞いたこともありますが…実際、右脳の発達に関わるトレーニングや教育は、何歳までにやらないといけないのでしょうか?6歳を過ぎるともう頭が良い子になれないという噂もありますが、実際そうなのでしょうか。脳科学で分かっている右脳の働きやトレーニング方法についてまとめました。

子どもに右脳トレーニングは必要?

右脳が発達している人は頭が良い、という話を聞いたことがあると思います。スマホゲームでも数々の脳トレーニングアプリがあり、色々試している人も多いのではないでしょうか。トレーニングアプリも2~3歳の小さい子どもでもできるものが多く、子どももスイスイ問題を解いているところを見かけますよね。子どもの方が高い点数の時があってびっくり!もしかしてすごい天才なんじゃ…と、期待してしまいます。

スマホやPCのトレーニングアプリのほか、右脳の発達トレーニングに効果があると言われている習い事も多数存在します。有名なのはピアノ、水泳、そろばんあたりではないでしょうか。ピアノは指を動かすことが脳の発達に効果があると言われていますし、音楽や芸術関係は右脳が発達している人が得意だと言われています。水泳をしている時は胎児の頃の記憶を思い出すとも言われますし、そろばんは指先を使うことはもちろん暗算でイメージ力を鍛えることができるということで、右脳が発達する習い事として人気です。

たしかに、そろばんを習っていた人は計算が早いし、スイミングに通っていた子は水泳が得意。でもこれが、本当に右脳が発達しているから、ということに結びついているのでしょうか?そもそも、右脳が発達しているというのは、どうゆうことなのでしょうか?また、右脳の機能、左脳の機能ってどうゆうものなのでしょうか?

右脳人間はクリエイティブ?脳科学者が語る真相

まず、右脳が発達している右脳人間とは、どうゆう人なのかを調べました。

著書『サイコパス』がベストセラーとなった脳科学者の中野信子氏が、上智大学で講義をした際、脳科学の観点から見た、右脳人間、あるいは左脳人間についての内容が語られていたので説明します。中野氏の講義の内容では、右脳人間、左脳人間というくくりは、脳科学では存在しないとのことでした。結果から言うと、右脳人間は発想力や感性が優れているという証明は、今の脳科学ではできないということです。これは、右脳・左脳の機能の個人差について調べた実験の結果から分かったそうです。

中野氏によれば、たしかに右脳と左脳の機能は違うとのこと。右脳と左脳の機能についての説明を要約すると、右脳は全体を見る力であることに対し、左脳は部分的かつ細部を見る力であると言っています。確かに、右脳には瞬間的に危険を判断する機能など、直感的な機能があるのは確かです。しかし、1000人以上の人を対象にして行われた『右脳と左脳の機能』を調べた結果からは、右脳左脳の働きに個人差はないとのことで、つまり、この人は直感や発想が優れているから右脳派で、この人は論理的な考え方だから左脳派人間、という分類はできないし、脳科学では証明されていないんだそうです。

右脳を鍛えれば発想力が豊かになるという理論はどこから発生したのかは不明ですが、脳科学的には根拠のない話になります。それどころか、研究者の間では右脳派は発想力が高くて左脳派は論理的という説を否定する動きが強まっているとのこと。なので、6歳までに右脳を鍛えなければもう間に合わない、ということも科学で証明されていないのです。

「6歳までに右脳の発達が決まる」本当のところは?

6歳と言わず、脳の発達が何歳までで、その後脳細胞は死んでいく…などという様々な説を聞いたことがあると思います。しかし、脳細胞に関しては、70代以上でも新しく生まれ変わり続けているという話もあります。

では、どうして「6歳まで」あるいは「3歳まで」など、低年齢のうちに発達しなければもうダメという風な噂が流れているのでしょうか。

それは、脳の容量(重さ)が3歳までに8割、6歳までに9割完成するという事実があるので、そのように言われているのかもしれません。しかし、脳の容量と重さは6歳からずっと変わらないとしても、脳の働きに大きく関わる神経回路は、6歳以降も経験や生活習慣などで変化していきます。たしかに、音楽家などが持つ『絶対音感』に関しては、6歳まででないと取得できないと言われています。これは、耳の成長が6~7歳で終わるからという説もあれば、脳の成長が6歳くらいで終わるからという説もあります。いずれも、絶対音感に関しても右脳を鍛えると身につくわけではないようです。

3歳までに頭の良さが決まってしまうなどという説があるのも、記憶や空間学習能力に関わる『海馬』という脳の器官が完成するのが、3歳という年齢だからかもしれません。海馬は、大脳の一部の器官です。3歳以前までは、色々な記憶は大脳以外の部分にしまわれています。なので、3歳までの記憶は脳に記憶として残っているというより、感覚で覚えている、という言い方が当てはまるかもしれません。これが「右脳の発達は3歳まで」という表現に置き換えられた可能性があります。

いずれも、脳の大きさや器官の成長が3歳、6歳で終わるというのが事実で、右脳の発達とはまた別であるようです。絶対音感に関しても、右脳だけではなく左脳も関係あるという説があります。絶対音感のように幼少期までに身につく機能は他にもありますが、脳科学者の間で、まだ脳の成長が終わっていない乳幼児期に大切なのは、知識や技能ではないという意見が多いのが現状です。子どもが幼児教育や音楽を楽しんでいる分には問題ありませんが、子どもがあまり興味を示さないのに、脳の発達を目的に親の方が頑張って色々な習い事やトレーニングをさせたとしても、あまり良い結果にはならないようです。

「モーツァルトを聴かせると右脳が発達する」の真相

妊娠期にモーツァルトを聴くことが、胎教に良いという話を聞いたことがある人は多いと思います。耳は早い時期に形成される器官なので、胎教でモーツァルトを聴かせると、頭が良くなるという説が出てきたのかもしれませんが、こちらに関しても、脳科学者の中野氏は異論を唱えています。中野氏によると、いわゆる『モーツァルト効果』という、モーツァルトの音楽を聴くことによるIQ向上の証明はされていないとの事でした。要は、迷信だということです。頭が良くなるというよりは、モーツァルトの心地よい旋律を聴いて赤ちゃんが安心感を持つことに繋がるということでしょう。中野氏も、モーツァルトが好きならモーツァルトがいいけど、そうでもないのなら母親が好きな音楽を聴くのが一番良いと言っていました。

モーツァルト効果に関しては迷信という結果ですが、幼い頃から音楽に触れることは脳の発達に良い影響を及ぼすことは分かっています。7歳以下から音楽を習い始めた人と、7歳以降から音楽を習い始めた人の、マルチタスク(同時に色々な事を処理する)能力を比較した実験結果では、7歳以下から音楽を習い始めた人の方が、マルチタスク処理能力は高かったという結果があったそうです。脳科学者の中野氏も言っていますが、ピアノやヴァイオリンなど楽器演奏の習い事は、低年齢から始めた方がIQを少しあげる効果があるそうです。音楽や楽器演奏に興味があるなら、プロを目指すほどではなくても、脳の発達のために音楽を習い事に選ぶのは良いかもしれません。

また、中野氏は音楽を聴いたあと、その音楽のどんなところが良かったか、どんな印象を持ったかについて語り合うことも脳にとって良い刺激を与えると言っています。話し合うということは、他人の感想を聞いて共感したりするやりとりがあります。人の感想や意見を聞くことで、自分には気づかなかった発見をすることもできます。それが、脳の発達に繋がるのかもしれません。

運動やスポーツも脳の成長に関わっている!?

スイミングが右脳トレーニングになる習い事ということで人気だということは先ほど書きましたが、幼児期にスポーツ、体を動かすことは、脳の発達に良い結果をもたらすことが分かっています。6歳以下で脳が未発達な時期でも、運動をすることによって脳の色々な部分が使われることで脳の発達を促しますし、6歳以上の学童、大人も、体を動かすことで様々な脳内物質が分泌されるのは6歳以下の幼児と同じです。運動で分泌される脳内物質には、幸福感に関わるドーパミン、エンドルフィン、ストレス緩和に関係するセロトニンなどがあります。スイミングスクールやスポーツクラブなどで定期的に運動をすることで、神経伝達物質の受動体の発達も促されます。6歳を過ぎれば脳が急激に発達することはないにしても、脳が活性化される効果は高いです。運動する人は頭が良い、企業のトップやセレブがどうして運動している人が多いのかといえば、運動が脳の働きに高い影響をもたらすからなのです。特に、朝ジョギングや散歩をする人は、ドーパミンやセロトニンなどの脳内物質を出すのも目的で、その日一日のやる気や集中力を高めるために意識してやっているといいます。運動で体力もつけば集中力も続きますし、一石二鳥ですね。

まとめ

様々な幼児教育玩具やトレーニングアプリなどで脳を鍛えることは、一定の教育効果はあるものの、右脳を鍛えるということには関係ないということが分かりました。脳科学は数十年前までは神経科学と呼ばれていた、比較的新しい学問。ここ最近で急激に進歩し始めている分野でもあり、まだまだ解明されていないことも多い分野です。迷信も多々あり、いろいろな説が覆されていますので、冷静に正しく、新しい知識を取り入れながら、子どもの教育に役立てていきましょう。

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