言葉がおそい…上手に食事ができない…。イヤイヤ期の2歳児を持つママが抱える不安の対処法
- 2021/5/12
- 遊びの時間


2歳児は『イヤイヤ期』という時期を迎える子が多く、これまでの子育ての苦労とは違う苦労を感じることも増えてきます。これが噂のイヤイヤ期か…と、覚悟はしていたけど、しつけの難しさを感じると、これで大丈夫なのか、普通ではないのではないかなどと不安になる時もありますよね。ママにとっても試練といえるイヤイヤ時の乗り切り方をはじめ、2歳児の発達で心配になりやすい事、場面の対処法を解説いたします。

『魔の2歳児』イヤイヤ期について
イヤイヤ期は第1次反抗期ともいわれており、数か月でおさまる子もいますが、1歳ごろ~2・3歳まで続く子もいるようです。身長もぐっと伸び、顔にも個性が出始め、自分でできることも増えるので成長を感じることもありますが、自我の目覚めによって、思い通りにいかないことがあると癇癪を起こし泣いて自己主張をすることも目に付くようになります。
『わがまま』『自己中心的』というふうに映ってしまいますが、パパ・ママが自己主張できる環境を作れていることの証で、親子の信頼関係があるからこそのイヤイヤ期。ママはどっしりと構えて、「うまくいかなくて悔しい」という子どもの気持ちを受け止めてあげましょう。悔しいという気持ちは、何かにチャレンジしなければ生まれない感情でもあるので、危険なこと以外で時間に余裕があるときなどは、チャレンジしようとしてることを褒める気持ちで接していくと、子どももママも気持ちが落ち着いてきやすいです。
また、言葉がうまく伝わらない、ということが理由で癇癪を起している場合も多い理由。まだ話し始めということもあるので当たり前なのですが、次々と生まれてくるさまざまな感情のコントロールができない、ということが癇癪の原因の場合は「こう思ってるの?」「そうゆう気持ちなんだね」というふうに、気持ちを表現する言葉をかけてあげて、子どもがどんな気持ちなのかに耳を傾けてみましょう。根気がいることかもしれませんが、イヤイヤ期以降も子どもが成長する上で役立っていく対処法ですので、あきらめずに実践していってくださいね。

言葉の発達について
1歳前後から「ママ」「ワンワン」「バイバイ」といった単語を話し始めるようになりますが、2歳児にもなると「イヤ」という自己主張はもちろん、話せる単語も増え、1歳児よりはっきりとした滑舌でいろいろな表現ができるようになる子も多いようです。例えばこれまでは見たものの単語を話すだけだったのが、「何食べたい?」という質問に、「いちご」と答えられるようになるなど、会話を使ったコミュニケーションを取れるようになってきます。また、「いちごがたべたい」など、単語+単語を組み合わせることもできるようになります。自分の気持ちや意思が伝わることに喜びを覚えて、さらに多くの言葉を覚えていく原動力になるようです。さらに、少しずつ数を数える力も身についてきます。興味を持ったことから覚えていきますので、いろいろなことを教えたいときは、例えば果物、動物など、子どもが興味を示しているものをふんだんに使うと良いでしょう。大切なのは、子どもとのコミュニケーションを楽しみながら、という点です。会話は楽しい、言葉を受け止めてくれる人がいるというのは嬉しい、という気持ちを育てることも意識してみましょう。
言葉が早い子の特徴
言葉の発達が早い子の特徴は、男の子より女の子の方が比較的言葉を覚えるのが早いといわれています。ほかにも、きょうだいがいる、祖父母と同居しているという方が覚えは早いという傾向もあるようです。日中、祖父母とママがしている会話を聞いて育っている子は、それだけ単語や会話を観て聴いて覚える環境があるといえますし、祖父母とのやりとり、コミュニケーションも学んでいます。上にきょうだいがいる場合も、お兄ちゃんお姉ちゃんとのやりとりで言葉を覚えます。それに対し、ママと二人きりで過ごしていると、ママが会話しているのは自分だけでですから、聞いて覚えるという環境やチャンスは必然的に少なくなります。第2子の方が言葉を話すのが早かった、甘え上手、世渡りが上手いという特徴が多いと聞くのは、ママ対誰かのコミュニケーションを見る機会が多かったことが理由としてあるようです。そのため、第1子の場合はなるべく話しかける機会を作ることが必要になってくるかもしれません。知育おもちゃを使って、一緒に学習するという方法も効果的ですが、パパとの会話を増やすよう意識する、テレビや動画、おもちゃを利用して子どもと会話をする、お買い物や公園遊びなどのお出かけの時にたくさん話しかけるなど、子どもが言葉に触れる回数を増やす工夫をしていきましょう。
食事の好き嫌いについて
2歳ころから食べ物の好き嫌いが出てきた、という悩みもよく聞きます。本当に嫌い、食べたくないということよりも、自己主張が始まり、好きか嫌いかの2択で表現してしまっていることもあるようです。好きな食べ物しか食べない、ということになると栄養の問題もあって困ってしまうのは当然です。しかし、虫歯や肥満の問題もありますので、イヤイヤに合わせてお菓子などの好きな食べ物だけを与えることは避けていきたいですね。
保育園に通っている子は、ほかの園児がいろいろな物を食べているところを見て学習することも多いようですが、ママと二人だとわがままが通ってしまうことが多く、偏食になってしまう原因にもなってしまうようです。野菜嫌いの場合、無理やり食べさせることは避けるとしても、手作りのおやつに少量の野菜を入れるという工夫も有効です。さらには、子どもと一緒に料理をする、野菜を自宅で栽培してみるという方法で野菜嫌いを克服したという例もよく聞きます。自分で育てた野菜には愛情がこもっていますので、食べるときに感謝の心が芽生えるようです。いろいろな工夫で、少しずつ食べ物の好き嫌いを減らしていけるといいですね。
食事の仕方、しつけについて
いろんなことに興味を持つ時期で、食事の時間も興味があることに意識がいってしまい、食事中に歩き始めたり遊び始めたりということも多く、イライラしてしまうこともあります。2歳児だと集中できる時間もまだ短いですが、いろいろな工夫で食事のしつけは可能です。
食事のしつけでできることのひとつは、テレビや動画など、気をそらす原因となるものを視界から消すということです。テレビや動画を見ながら食事をする習慣を見直すことで、食べ物に対する興味が育ちますし、スプーンやフォーク、さらにはお箸を使った作法に集中することもできます。
また、食事の準備やお片づけのお手伝いをしてもらうのも、食事に集中できるようになる方法のひとつです。これから食事が始まるよ、食事が終わったよ、という儀式にもなりますし、メリハリも自然とついてきます。もちろん「いただきます」「ごちそうさまでした」という挨拶も必要です。食事中に「おいしいね」「これはにんじん」という食事中に会話もすることで、食事は楽しいという感覚も養われます。

色々な工夫をしていても、時には食事中に立って歩き、おもちゃで遊んでしまうこともあるかもしれません。あまりにひどい場合は、「食べないで遊ぶなら、ご飯はもうおしまい」といった感じで、片づけてしまうのもひとつの方法。ダラダラしがちな食事の時間を、なるべく集中させて楽しい時間にしくことが大切です。
先回りしすぎは禁物
言葉の発達、食事のしつけなど、2歳児の育児には苦労が絶えませんが、子どもが言おうとしていることを先回りして「こうでしょ?」と決めつけたり、子どもがしようとしてもうまくできないことを先回りしてやってしまったりすると、子どもが自分でやろうという気力を奪ってしまうことがあります。先回りして何でもやってしまう、というママの行動の裏には『子どもが自分の思い通りにやってくれない、動いてくれない』という気持ちも隠れています。子どもと同じ目線に立とうとする優しさからくることかもしれませんが、子どもと同じ土俵に立ってしまうこととははまた別問題です。イライラしてしまうときなどは、時々振り返ってみて、自分の気持ちに気づく努力をしてみてください。疲れている時は、パパや祖父母、行政機関に相談することも有効な対処法。なるべく、イヤイヤ期の悩みはひとりで抱えないようにするのが得策です。
まとめ
言葉の発達には個人差もあり、3歳になっても言葉が出ない子もよく見られます。一概に発達障害を疑って心配しすぎるのも禁物。単に無口な性格ということもありますし、言葉が少なくても嫌な時は「イヤ」、好きな食べ物を食べている時に「おいしい」という感情表現があれば、問題ない時も多いです。
自治体などの定期的な検診にはなるべく足を運び、発達についての指導を慌てずに聞いていくのは必要かもしれません。ママが一人で悩むことが多いときは、体調を崩してしまう前に、認定こども園への入園、2歳児から入園可能なプレ幼稚園の利用も検討してください。社会との交流が増えて子どもの視野が広がり、言葉の発達も進む可能性も高くなります。
大切なのは、子どもが感情を表現できる環境づくりと、成長を見守る姿勢を持つこと。地獄のイヤイヤ期にするか、イヤイヤ期をいい思い出にするか、どちらにせよ、それを決めるのが親の大きな役目といえるかもしれません。
